小さい頃は何でもできると思っているものです。
幼児が高いところから飛び降りたりすることは
そういうある種の「自信」から来ているものです。
親が見ていると危なくて心配になりますが、
子供たちはそれが出来ると思ってやっているわけです。
幼稚園や保育園の運動会の時には
誰もが1位になると思って走っているわけですから。
そのころから少しずつ現実が見えてきたりもします。
そうやっていろいろな経験をしていくうちに、
出来ないと思うことが増えていきます。
どうしても勝てない相手がいることを知ったりもします。
人はそういうものを「才能」という言葉で理解しようとします。
確かにベースにあるものにはそういった才能の差があるのかもしれません。
でもそうじゃないんです。
大きな差を生むのは、
「最初からあきらめてやらない」ことです。
それが小学生の3年生辺りから出始めます。
これが自我とか、物心というものです。
これが出てくると、できないことに対して恥ずかしいと思い始めたりします。
そしてそれがさらにできないことをやらなくて良いという理由につなげてしまいます。
出来ないことをやらない理由として力を発揮し始めるということです。
さらにその理由を親も受け入れてしまう。
「うちの子は積極的になれない子なので・・・」
「うちの子は質問できないタイプなので・・・」
「うちの子は勉強が苦手なので・・・」
これら1つもできない正当な理由にはなりません。
こうやって人は最初からあきらめているわけです。
最初からあきらめているため、できるようになるわけもありません。
そもそも最初から上手にできる人間なんていないんです。
間違うことは恥ずかしい事ではない。
出来ないことは恥ずかしい事ではない。
間違ったもの、できないものをそのままにしていることが恥ずかしいのです。
野球が最初からうまい人もいないし、
サッカーが最初からうまい人もいないし、
歌が最初から上手い人もいません。
成長する過程で、それに似たことをやってきた人はうまくできるかもしれません。
結局、そのことをそれまでにどれだけやってきたかです。
子供が歩くようになってから野山で駆け回ってきたら
保育園や幼稚園でも走ることが速い部類に入りますし、
保育園や幼稚園で遊びでサッカーをやってきていれば
小学校に上がった時にサッカーを人よりも上手にできるでしょうし、
親とキャッチボールをやったりしてきた子は野球が上手にもなります。
才能は確かにありますが、
それで決まるのはプロになれるかどうかという話で、
普通にスポーツをやれるかどうかという部分ではありません。
人間の最速は１００ｍ、９秒後半です。
僕は走る才能があるとは思えませんが、
一番全盛期の時で１００ｍ、11秒ちょうどです。
１００mで考えれば人間たったの2秒しか差がないんです。
しかも才能で差が出やすいスポーツでそれです。
勉強は最も才能で差が出にくい分野です。
やればやっただけ身になります。
それなのに中学生になると
最初からあきらめる生徒がものすごく多いわけです。
子供の時のようにできないと思わずに何でもやることです。
何でもやってみないと何も始まらないし、
何もやれないと思うからこそつまらない。
人生がつまらなくなるんです。
大人になるとそれがさらに加速します。
多くの大人がつまらないと思って生きているらしいですが、
全て自己責任です。
何にも挑戦しないで流されて生きていくからです。
それを中学からやってはいけない。
中学からその状態だから大人になってもそのままの状態になる。
中学生や高校生にはまだまだ可能性があります。
何でもやって何回も失敗して、
それを繰り返して少しずつできるようになっていくわけです。
最初からあきらめてはいけません。
それさえなければ今頃もっとできることがたくさんあるんですから。
さて、受験まであと少しです。
もう無理と思いますか？
それともまだできると思いますか？
そういう所で今後の生き方も変わっていきます。
そういうものです。
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