最近の学習塾のCMでよく見る「AI学習」
果たしてそれは良いものなのでしょうか？
ちょっと考察してみます。
そもそも「AI」とは
「Artificial intelligence」の略で、
日本語にすると人工知能です。
仕組みとしては膨大なデータを蓄積させて
そのデータから見た「傾向」に合わせてコンピューターが提示してくれるわけです。
だから「AI学習」というのはそういう膨大なデータから打ち出された
弱点と思われる部分を出題してくれるって感じです。
こうやって聞くと良いものに感じますよね。
では、社会に出た時のことを考えてみましょう。
社会に出て仕事をした時に、次にやるべき仕事をAIは教えてくれるのでしょうか？
答えはもちろん「否」です。
仕事というのはその仕事それぞれにやり方があり、
その同じ職場の中でもぞれぞれに別の仕事があります。
それをAIで管理して指示系統をまとめることは非常に危険です。
仕事で使える人間というのは
「自分で考えて行動できる人間」です。
指示を待っていて、与えられたものだけをやる人間は
確実に使えません。というか、ず～～～～～っと平社員です。
果たして「AI学習」で育った生徒はこの「自分で考える」ということができるでしょうか？
答えは明らかですよね。
出来ません。
例えば夕ご飯の献立。
毎日何を作るべきか提示してくれて、食材も自動で届くようになるとします。
（実際ありますけど。）
届いたものをそれに添付されているレシピに沿って作れば
毎日献立を考える必要もなくなり、
買い出しに行く必要もなくなります。
それを続けていくと、献立を考えることがうまくなるのでしょうか？
なるわけないですよね？
考えてないんですから。
冷蔵庫にある食材で、自分の技量の中で作れるものを作ることも出来ません。
そうやって楽をするとできなくなっていくのが人間です。
さてここで話を戻します。
「AI学習」とは自動でやるべき問題を出してくれるという
超有能なシステムです。
しかしそれは人間の脳を退化させます。
何もしないでも指示が出るとか、
AIで問題ができるようになるまで出題されるとか
一見ものすごい画期的に見えますが、
それでは将来的に仕事ができる人間にはならないんです。
そして最も成長期にある小学生から高校生までの時期に
なにも苦労せずにAIで全てが用意されてしまっては
何も考えられない子になってしまいます。
AIじゃなくても、手取り足取り全てに指示を出してくれる塾も同じです。
指示を出されるから指示待ち人間になる。
もちろん最初から指示がなくても出来る生徒はいません。
最初指示を出し、徐々にその指示がなくても動けるようになるようにしていく。
そうすることで自分で考えられる子になっていきます。
新しい生徒の面談をしていると良く聞かれます。
「指示は出してくれるんですか？」と。
だからいつもこう答えます。
「仕事で使える人間というのは自分で考えることができる人間です。
だから自分で考えることができる生徒を育てます。
よって指示は出しません。
もちろん最初は出しますが、だんだん出さなくなります。
やった問題を全て採点するようになっているので、そこで軌道修正はしていきます。
その採点に持ってこない生徒などはこちらから声をかけることもしません。
甘えないでください」
社会に出るまでの間にたくさんの苦労をしてください。
また、保護者は苦労をさせてください。
子供に楽させても何も良いことがありません。
今の子は当たり前に携帯電話を持っているので
友達の家に電話をして友達に変わってもらうということができません。
電話の礼儀すら知りません。
電話をすればその人が出るという状況しか知らないからこうなるんです。
AIで自分がやる勉強が全て提示されるようになれば
自分で考えて行動できる子がいなくなるのも
容易に想像できます。
AIは確かに素晴らしいものです。
素晴らしいからこそ、
人間としてできないことが増えていくんです。
これ話していると終わりが見えなくなりますね。
もっとたくさん実例ありますし。
今回はこの辺で。
昭和から
令和になりて
忘れらる
根性論が
わが身を救う
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