中学と高校の違いを何度かここでも話したし、
教室でも生徒にはよく話している。
決定的に違うことを今日はお話しする。
中学と高校で決定的に違うことは
「層」である。
中学というのは草加市の場合は自由に中学校を選択できるが、
基本的にはその「地域」の子供たちが集まる場所である。
したがって、学力差はもちろんあり、
5教科で50点の子もいれば500点の子もいる。
要するにその点数の幅がかなり広いということになる。
だからテスト前の2週間足らずでチョチョイと勉強すれば
そこそこの順位までには調節できる。
しかも問題も簡単。
小手先の勉強で乗り越えられてしまうのが中学のテストだ。
では高校はどうなのか。
中学のテストで上位10％に入っていた子たちは
当然トップ高を目指す。
そして合格し、入学式を迎える。
その入学式に来ているおよそ360人は
全員が各学校の上位10％に名を連ねていた子たちである。
つまり、同じレベルの子たちがそこにいることになる。
部活で言うなら、
各部活のエース級の子たちの集まりである。
それが360人一斉に集まっている。
それが高校の入学式だ。
そして入学してすぐにその力を試される。
さて、その結果何が起こる？
今までトップ層にいた子がいきなり最下位になる可能性がある。
しかもすべての生徒に起こりうることである。
なぜか？
合格から入学までの間に
毎日練習を欠かさなかった子もいれば
合格したことに浮かれてだらだら過ごしていた子もいる。
合格から入学までのたった1ヶ月だけで
その差はものすごい開くことになるからだ。
高校には学力の層が存在するというのがお分かりいただけたかと思う。
じゃぁそれに見合った勉強をすればよいと思うかもしれない。
それができないんだ。
中学よりも科目は倍近くに増え、
授業の進むスピードも格段に上がる。
予習してきているのが当たり前の環境になり、
定期テストは4日もある。
さらにだ、
中学の時のように手厚いサポートをしてくれる塾は存在しない。
高校生になった子たちはわかると思うが、
実際にないんだ。
高校生を対象としている塾自体が。
全くないわけではない。
存在することはする。
しかし高校に対応することは無理なんだ。
学校によって科目の数も違うし、
選択できる科目も違う。
難易度も違えば、もちろん速度も違う。
また専門性も上がり、
中学の内容なら全科目教えられますという講師も
高校の内容を全科目教えられる人はほとんどいないからだ。
この状態で手厚くサポートできるとは1ミリも思えなくなるはずだ。
だから大事なことは
自立した学習ということになる。
これがないとお話にならない。
しかもこれを中学のうちに出来るようになっておかないと
高校で出ばなをくじかれることがほぼ確定する。
これまで勉強で最下位なんて取ったことがない子たちが
それを経験するわけだ。
果たして立ち直れるのだろうか。
現実逃避することだろう。
こんなはずはない！
次は行けるはず！
こんなことを思うようになる。
しかもそういう生徒は大体手厚く見てもらった生徒がほとんどである。
なぜなら自分で勉強をした経験がないからである。
だから栄進研では高校からの入塾を断ることにした。
中学からその土台を作ってきた子たちと
同じ空間では勉強することはできない。
余計にその子の精神を破壊することになる。
中学と高校の違いはそういう部分にも存在するのである。
さて中学生はこれを見て何を感じる？
高校1年生はこれを見てどんな行動をする？
いち早く腹をくくったものだけが
この先の受験を乗り越えることができる。
「自分で決断して行動を起こす」
それだけが生き残れる唯一の方法である。
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