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前回の問題はどうでしたか?
まだの人は先に考えてみてください。
結論と根拠 その2(問題)
今回の問題のポイントも
「主張」と「根拠」を整理することです。
ただ、今回は会話調の文章なので、余分な情報が多く含まれています。
修飾句や「です、ます」などの語句をカットして、
根拠と主張のみを抜き出してみましょう。
アユミ1 主張:小学生は2回/1日歯磨きをする。
5回/1日にするべきだ。
ケン1 主張:5回/1日やるのは無駄だ。
根拠:2回/1日でも5回/1日でも、20歳での虫歯の数には変わりがない。
アユミ2 主張:5回/1日やるのは無駄ではない。
根拠;40歳での虫歯の数には変化が出る。
この問題はケン1に対してのアユミ2の発言の役割を説明するものです。
ここではケン1の発言に対して「何が同じか」「何が違うか」に注意して、
その役割を考えてみましょう。
アユミ2は40歳の虫歯数を根拠にしてケンの主張に対する再反論をして、
アユミ1の主張を守ろうとしています。
それを押さえておいて、選択肢を見ていきましょう。
①ケンの主張の根拠となる事柄の真偽が不明であると指摘し、
自分が正確だと信じる事柄を提示している。
選択肢前半部分に「ケンの主張の~真偽が不明であると指摘し」とあるが、このような指摘はアユミ2にはありません。
よってこれは不正解。
②ケンの主張によって何歳の時に歯磨きの効果を評価するかが大事であると気づき、
効果を評価する事典が問題とならないように論点を変えている。
前半部分「~と気づき」は気持ちの問題なので、議論とは直接関係はありません。
後半部分に「効果を評価する時点が問題とならないように」とあるが、
ケン1の20歳のデータに対して40歳のデータを持ってきて根拠としているので
40歳という「評価する時点」を問題にして、それを再反論の根拠としています。
よってこれは不正解。
③ケンが例として示した事柄が信頼できない情報源に基づくものであることを論証しようと試みている。
「信頼できない情報源に基づくものであることを論証」とありますが、これはおかしいですね。
アユミ2は、ケンの伝聞という情報源に対してアユミの雑誌記事という情報源の違いを指摘していません。
したがって、これは反論の根拠となっていないので、不正解。
④ケンが提示した事柄を認めたうえで、その事柄に対してむしろ肯定的評価を与えようとしている。
「肯定的評価を与え~」がおかしいですね。
ケン1の「20歳で大丈夫なのだから~」に対して反論をしています。
なので、これも不正解。
⑤ケンの議論によって自分の提案が間違っていたことが分かったので、雑誌記事の信頼性を擁護しようとしている。
「自分の提案が間違っていたことが分かった」は②のように気持ちの問題なので直接関係はありませんが、
アユミ2は反論になっているので、「間違っていたことが分かった」はおかしいですね。
後半部分に「雑誌記事の信頼性を擁護しようとしている。」とありますが、
雑誌記事それ自体に対する指摘はアユミ2にはありません。
よってこれも不正解。
⑥ケンの述べている事とは異なる事柄を根拠として、自分の提案が正当であることを主張している。
「異なる事柄を根拠として」は(20歳のデータとは異なる)40歳のデータを指していると考えられます。
一方で「自分の提案が正当であると主張」はアユミ2の主張が5回/1日が無駄ではないということなので
最初の自分の主張につながります。
よって、正解は⑥