徳川家康が今川義元の人質になっていた時の話。
義元が家来を読んで言いました。
「竹千代にむごい教育をしてやれ」
次の日から竹千代は日が昇る前に叩き起こされ、
読み書きに始まり、剣や弓の稽古、雑巾がけと
休む間もなくしごかれました。
食事や着るものも実に粗末でした。
家来はある日義元に報告しました。
「むごい教育は順調に進んでおります」
すると義元は家来を厳しく叱りました。
「むごい教育は甘やかせということだ!」と。
「朝から晩まで、海の幸や山の幸あふれる贅沢なご馳走を好きなだけ与えてやれ。
寝たいと言ったらいつでもいくらでも寝かしてやれ。
夏は暑くないように、冬は寒くないようにしてやれ。
贅沢な着物も着せてやれ。
学問も武道も嫌だというならやらせるな。
何事も好き勝手やらせればよい。
望むものは何でも与えてやれ。
そうすればたいていの人間はダメになる」
と家来に命じました。
これが過保護です。
失敗させない。
考えなくても目の前に何でも用意してある。
塾も授業を与えられるだけ。
疲れたと言えば休ませ、
習い事などの好きなことを優先させ、
つらいことを避け、
転ぶ前に杖を与える。
むごい教育してませんか?
「たいていの人間はダメになる」
ダメにさせたいのですか?
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